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写真イ・ジュヒョン

イ・ジュヒョン(監督)

1977年生まれ。フランスのヨーロピアン・スクール・オブ・ヴィジュアル・アーツで、映画やデジタルアートを学ぶ。在学中に、数多くの短編アニメーションやドキュメンタリー作品を制作し、山形国際ドキュメンタリー映画祭、アニマムンディ国際アニメーション映画祭、アニフェスト映画祭などの海外の映画祭に度々招待され、その実力を認められる。最も影響を受けたキム・ギドク監督に抜擢され、本作で初の長編映画の監督を務める。デビュー作で、第26回東京国際映画祭観客賞を受賞した快挙は、ニュースとして全世界に配信され、次回作が待望される監督の仲間入りを果たした。

MESSAGE

「本作は、玉ねぎに例えることができる映画です。個人の純粋で白い本音は、いくつかの理念と観念によって幾重にも包まれています。主人公たちは、守るべき人と家族、対立する理念、融合することができない二つの思想の間で、矛盾と葛藤を経験します。愛する家族のために、ニセ家族と暮らさなければならず、さらに他の家族を破滅させなければならないパラドックスとジレンマに苦しみます。これらの主人公たちの葛藤を通して、私たちを取り囲んでいる目に見えない共同体と理念を、新しい視点で眺める機会ができればと思います。痛みを分かち合い、家族の意味をもう一度心に刻むことを願って─。」
写真キム・ギドク

キム・ギドク (製作/脚本/編集)

1960年、韓国生まれ。山間の村の貧しい家庭で育つ。9歳でソウル近郊に引っ越し、農業専門学校に通う。工場に勤めた後、20歳で海兵隊に志願し、5年間の軍隊生活を送る。その後、夜間の神学校に通い、教会に勤務して牧師を目指すと共に、絵画制作を始める。1990年、パリに渡って絵画を学ぶ。1993年に帰国後は脚本執筆を始め、1996年に『鰐~ワニ~』で監督デビューを果たす。それ以降、精力的に発表する作品は、その暴力性から国内では物議を醸して批判されるが、海外では常に映画祭に招待されて数々の栄誉ある賞に輝き、熱狂的なファンを獲得し続けている。2001年に、キム・ギドク・フィルムを設立、『ビューフティフル』(07・未)では製作総指揮と原作、『映画は映画だ』(08)では製作と原案、『プンサンケ』(11)では製作総指揮と脚本を担当している。
その他の主な監督作品は、『魚と寝る女』(00)、『悪い男』(01)、サン・セバスティアン国際映画祭観客賞受賞の『春夏秋冬そして春』(03)、ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞の『サマリア』(04)、ヴェネチア国際映画祭監督賞受賞の『うつせみ』(04)、『弓』(05)、『絶対の愛』(06)、『ブレス』(07)、『悲夢(ヒム)』(08)、カンヌ国際映画祭ある視点部門最優秀作品賞受賞の『アリラン』(11)、ヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞の『嘆きのピエタ』(12)など。待機作は『俳優は俳優だ』(制作・脚本)、『メビウス』(監督)がある。

MESSAGE

南北問題を扱った私の作品としては2本目になります。この南北問題というのは私自身にとっても、韓国人にとっても、とても大きな課題になっています。 このシナリオを描く際には家族とは何かという事を深く考えました。この映画の中には韓国、そして北朝鮮の家族が描かれています。その2つの家族の違いはありますが、どちらが正しいかということではなく、本当の家族とは何だろうという、質問を投げかけたいなと思いました。私自身が監督する映画は変わった題材の映画が多いですが、『レッド・ファミリー』は温かく、感動的な映画です。 僕の映画は観なくても『レッド・ファミリー』は観ないと後悔します。是非映画館の臨場感ある大きな画面で『レッド・ファミリー』の感動を感じて下さい。この作品で利益が出れば、北朝鮮の子供たちを助けたいと思います。